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km/h加速が24秒。またメルセデスベンツの0405GNをべースとしたものは、2年前のハノーバーショウに出品された。トロリーバスとのデュオタイプで、75kWのモータを4個搭載する連節バスである。チューリヒで試験運行を行っている。バッテリ搭載のハイブリッドタイプも最近登場し、試験を開始する。もう一つの試験車両はDABサービスバスをべースとするもので、極めて小さいパワーソースを使用するという点に特徴がある。搭載エンジンは103kWのアウディTDIで、それとバッテリ分25kW程度を組み合わせて様々な走行状態をカバーする。(全負荷時はエンジン十バッテリ、部分負荷時はエンジンのみで走行+充電)バッテリの量を変化(100kgから400kg)させて評価試験中で、10%以上の燃費向上が得られているという。
価格については、オリジナルのEEドライブで、ある程度数が出るようになって約15%増しと予想されているが、バイブリッドヘの対応、トロリーバス化などへの発展性があるため、将来の市場としてはかなりの数が見込めるという。今回の訪問では、車両の試乗はできなかったが、騒音、乗り心地などでも、期待以上の性能が得られているようで、将来性に期待がもたれる。

 

(6)ネオプラン社
ネオプラン社は正式名称ゴッドローブアウベルター社という、バス車体の製造メーカで、1935年の創業である。1995年のデータで従業員1792人、売上げ710MDM、ドイツ国内に5カ所の工場、アメリカ・中国・東欧をはじめ、いくつかの生産拠点を世界中に有している。ドイツ国内の生産は、年間約1200台(うち路線バス300台弱)、国内シェア15%強の中堅メーカであり、先進的なスタイル・技術を売り物にしている。日本では大阪の中央交通が代理店となり、観光バス、空港ランプバスなど、輸入実績も多い。同社スツッツガルト本社工場は、本社組織と観光バスの生産拠点になっている。低床バスやカーボンボディのMICの生産ラインにも興味が持たれたが、技術討論を行うこと、生産ラインは車種が異なってもほぼ同様であることから、本社工場の訪問となった。
本社工場の地下には歴代の車両が並ぶ博物館があり、同社の歴史が例えるが、低床ノンステップバスは、1960年に空港用として登場していた。都市内用の本格的なものは1976年に製造が始まり、現在のタイプの原型は1987年から作られている。同社のカタロクリストには既に全てがノンステップタイプとなっており、ライセンス生産のものを除くと、わずかな例外以外は100%の新車が低床化されているという。さらに軽量化への先進技術の採用にも積極的であり、1988年に発表したカーボンプラスチック製のMICは評価が高い。この車は、車体外板のみならず、フレーム、強度部材まですべてプラスチック製の軽量構造で、同型車種で比較すると約2割(空車重量12t−>10t)の軽量化が図られており、軽量コンパクトなエンジンの採用とあわせて、燃費、エミッションの点で有利となっている。1992年にはバーゼル向けトロリーバスを完成し、1994年には新しいコンセプトの次世代バスN4114を発表している。(詳細後述)
製造工場は、様々なタイプの観光バスなどが製造途中にあったが、一見して手作り的な印象を受けた。車体組立には専用の立派な治具があったが、作業そのものはすべて手作業で、進められていた。古い工場で、狭い敷地であり、それを有効利用しようとしているが、やや窮屈な感じであった。工場は町工場的であったが、完成品はカラフルな立派な観光バ

 

 

 

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